ロマンス小説の七日間

三浦しをんの「ロマンス小説の七日間」を読了した。


三浦しをんの小説は、僕も奥さんも読む。ふたりとも親しみの念を込めてしをんちゃんと読んでいる。
「今回のしをんちゃんもやべーよ、やべーよ」
「ほんとーじゃああとで貸してー」
って感じで。


やっぱりあらすじなどはこちらを、ということで割愛。
しをんちゃんの妄想がけっこう炸裂しているような世界が繰り広げられている(僕が勝手にそう解釈しているだけだが)。
このひとの文章を読んでいると、その妄想世界に引きずり込まれてしまう。
この作品ではふたつの物語が順番に描かれている。妄想炸裂ハーレクイン的中世ロマンス小説世界と、比較的現実的な職業的翻訳家の恋愛世界。
妄想世界に引きずり込まれて、次の章でちょっとだけましな世界に戻る。


そして電車の中で読んでいたら吹き出してしまいそうになるような面白さがある。
これは比喩的表現ではなく、現実的な問題として電車の中で吹き出すのを堪えた。必死に。
こほっこほっと咳をしているふりをしながらうつむいて顔はにやけている。
なんとか堪えて続きを読もうとするが、思い出してしまいまた顔を下げる。
ちなみにしをんちゃんのエッセイなんかはもっと危険だ。


そんな苦労をしながら読み通した。
中盤がいちばん盛り上がって、正直なところラストはちょっと物足りなかったけど、とても楽しいひとときを過ごせた。


ロマンス小説の七日間 (角川文庫)
三浦 しをん
角川書店
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