小澤征爾さんと、音楽について話をする
村上春樹、小澤征爾の「小澤征爾さんと、音楽について話をする」を読了した。
僕は音楽のことがあまり分からない。全く聞かないわけじゃないけど、そんなに時間を掛けて聴いてこなかった。歌は中居くんばりで、絵は草磲画伯並なのですよ。残念ながら、残念すぎるけど。ま、仕方ないけど。
それでも、とてもおもしろかった。稀代の音楽家と小説家の言葉は、心にまで響いた。読み終わって、「歌は終わった。しかしメロディーはまだ鳴り響いている。」みたいな気分になった。これは「羊をめぐる冒険」の一節。
マーラーとスイス国際音楽アカデミーについての文章が、特に面白かった。なんだか臨場感がある。
マーラーなんてほとんど知らなかったけど、それまでとは変わった音楽を書いた人みたいで、それがなんとなくだけどわかったつもりになってしまう。前提知識がほとんどないのに、とても楽しく読めてしまった。
アカデミーでは、優秀な若手音楽家の育成を行なっている。そこでの教え方や生徒が成長していく様子が描かれていて、これまた感動してしまう。もともと優秀なひとたちが集まっていて、さらに高みを目指し、そこに到達する過程が描かれている。
読み終わる前からクラシックが聴きたくて、聴きたくて、聴きたくて、これ買った。
他にも何枚かあるみたいだけど、とりあえず1枚だけ。安くて有名な曲が70曲も入ってて、素人な僕にはとても嬉しい。
こうやって、読んで何かしら行動に繋がるような文章は力のある文章だと思う。いい文章、力のある文章についてはけっこう前に書いた。