大いなる眠り

レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」(村上春樹訳)を読了した。

登場人物が多く、話も入り組んでいるので読み辛い。ところどころでは内容がよくわからない。でもやっぱり魅力的で面白い。
素敵な文章は随所にあるけど、この一節が気に入った。マーロウが自分自身について語っているところ。

私は依頼を受けて仕事をしています。そして生活するために、自分に差し出せるだけのものを差し出している。神から与えられた少しばかりのガッツと頭脳、依頼人を護るためにはこづきまわされることをもいとわない胆力、売り物といえばそれくらいです。


マーロウの人生に比べれば、自分の人生はなんて平和なんだろう、と思った。人生を平和に過ごすためには、多少のガッツと頭脳と胆力が必要になるけど。


チャンドラーの村上春樹訳は全て持っているし、それ以外の作品もいくつか持っている。でもどれもまだ1回しか読んでいない。未読の本が多すぎて再読できてないけど、ロング・グッドバイとかまた読みたいな。


大いなる眠り
大いなる眠り
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レイモンド チャンドラー
早川書房
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あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
大したことは書いていないんだけど、元旦に毎年なにか書いてる。まあ、元旦に限らず、いつも大したことは書いてないんだけど。


これまでやってきたことが繋がってきて、最近はいい流れにいると思う。身に降りかかるものごとはいいことばかりではないけど、悪いことがあっても乗り越えていけそう。いろいろ助けてもらいながら。
今年はこれまで以上に流れに身を任せつつ、できることがあれば積極的に関わっていきたい。


ただ、いくつか補正したいところはある。本を読んだり勉強会に行ったら必ずblogを書いていたけど、最近はできていなかった。アウトプットを続けて、いまに至ったので、アウトプットを続けないといろいろ淀んでしまいそう。
書いてるコードの量は増えてるし、記事を書いたり、外で話したりもしているけど、それを言い訳にしないように気を付ける。


去年よりも、やりたいことと、やらなきゃいけないことが近くなった気がする。だからこそ新しいことに取り組まなくていけないと、漠然と思ってる。とはいえ、自分の興味や好きなものは図らずもそれなりに分散しているので、そのまま面白そうなことに取り組んでいけばいいのかもしれない。


自分に対しても他人に対しても「大切にしているものは、何ですか?」を考えていきたい。相手が何を大切にしているかを意識していたい。相変わらず長期的な展望はあまりないし、よい瞬間を積み重ねていきたい。
2012年よりもドラスティックな変化はないと思うけど、それでも小さな変化は続けていかないと。


慢心せず、感謝の気持ちを忘れず、あいさつとありがとうとごめんなさいがちゃんと言えれば、たいていのことはなんとかなる。たぶん。
自分にとっても、周りの人にとっても、いい一年になるように努めたい。

いろいろ変わったけど、思ったよりも変わってない

根本的なところはほとんど変わってないけど、自分の環境は大きく変わった1年だった。
1月にhtml5j.org、HTML5とか勉強会のスタッフになって、8月に転職した。これは結果であって、変化自体は去年から、あるいは一昨年から始まっていたと思う。


今年は多くの人と話をした。いろいろなことを話したし、いろいろな人たちのいろいろな話を聞いた。
コミュニティの人たちとは、多くのミーティングや飲み会で話をした。転職活動では、面接という場ではあったけど、企業の人事担当者や現場のエンジニアの方と、普段しないような話をした。さらに勉強会やWebを通じて多くの人と知り合って話をした。


こんなに多くの人と会ったのは、これまでの人生でもあまりない。ちょっと考えてみても、200人以上の人と話をしたと思う。自分自身は、けっこう人見知りなんだけど。
何人かの人たちはとは、これから5年、10年と付き合っていくかもしれない。楽しみ。


転職して、毎日コード書いてる。エンジニアなら、それが当たり前の環境になった。コードを書きたくて転職したけど、自分は本当にコードを書くのが好きなのか、正直よくわからなかった。でも毎日書くようになったらやっぱり楽しくて、コードを書くことが好きだ、と思えた。よかった。
ただちょっと働きすぎてしまった時期もあったので、ちゃんとバランスよく仕事していきたい。余裕がないと、勉強できないし、新しいことに取り組めないし、いい仕事できないし。


これからはRubyを書きつつ、HTMLやJavaScriptを含めたフロントエンドよりの部分に注力したい。そういう仕事がいまの職場ではできそうだし。
これまでOSやミドルウェアを含めたインフラのレイヤーは多く経験してきていたので(もちろんSIerと現職では、やることが大きく異なるけど)、しばらくは違うことがやりたい。もちろん何年かして、やっぱりシステムのベースとなるOSやDBに関わりたくなるかもしれないけど。まずはもう少しちゃんとRubyJavaScriptが書けるようにならないと。


もう少し抽象的なところでは、「使いやすくて、儲かるWebアプリケーションを作る」ようにしたい。UIやUXを改善していきたいとか、パフォーマンスを改善したいとか、堅牢なアプリケーションを作りたいとか、いいコードを書きたいとか、いろいろ考えてみたけど、まとめていくと、こんな感じになった。
もうちょっと変わっていくかもしれないけど、しばらくはこれを意識してやってみたい。


個人的な謝辞として。
いいことばかりではなく、悲しいことやショックなこともいくつかあって、その時々でいろいろな人に助けてもらった。すごくありがたかった。
社会人3年目に希望を出して部署を異動した。これは転職に匹敵するくらいのとても大きな転機だった。そのきっかけを作ってくれた人に、いまでもとても感謝している。


35歳のターニングポイントに向けて、もっと頑張らないといけないことがたくさんあるけど、そこまで悪くもない。たぶん。
冒頭にちょっと書いたけど、自分の文章を読み返してみると、いつも同じようなことを書いている。びっくりするくらい。きっと来年もあまり変わらないと思う。
# 今年いちばん劇的な変化を遂げたのはランチだな。


前職も現職もコミュニティーもプライベートも、本当に人に恵まれている。
ありがとうございました。よいお年を。

@ITで CSS Nite「After Dark」 Coda 2 VS Sublime Text 2 のレポートを書いた


@ITCSS Nite「After Dark」 Coda 2 VS Sublime Text 2 のレポートを書いた。リニューアル後の@ITのトップに出ていたので記念キャプチャ。


資料も動画も公開されているので、レポート自体はあっさり目にした。


僕自身は、WindowsMacも使うので Sublime Text 2 を使っているんだけど、たにぐちさんのCoda 2を使ったデモは華麗で Coda 2 のすごさを知った。気になる方は、フォローアップの動画をぜひ。
GUIで操作したい人には、Sublime Text 2よりCoda 2のほうがいいかも。


記事のまとめにも書いたんだけど

Coda 2、Sublime Text 2以外にも多くの開発環境がありますが、自分に合ったもの選び、使いこなしていきたいと感じました。

と思ってる。楽しくコーディングしたいね。

SublimeServer - Sublime Text 2 Advent Calendar 2012 の 4日目

Sublime Text 2 Advent Calendar 2012 の 4日目です!

Sublime Text 2 で Vim っぽいキーバインドが使えるようになる Vintage について書こう。と思ったら、すばらしいタイミングでこんなエントリが。

クラスメソッドさんの記事は、どれもクオリティが高く、いつも参考にさせていただいています。




もう、書くこと何もない。




さすがにそれも寂しいので、大好きなSublimeServerについてさらっと書こうかと。

SublimeServer

SublimeServer

SublimeServerを使うと、簡易的なHTTPサーバが立ち上がる。そしてプロジェクトにあるHTMLファイルをHTTPサーバ経由で確認できる。

How to Install

みんな大好きPackage Controlからどうぞ。
あるいは git clone git://github.com/learning/SublimeServer.git で。
もちろん git から zip でダウンロードして Packages ディレクトリに置いてもOK。

How to use

例えば Initializr の Twitter Bootstrap の index.html を Sublime Text 2 で開く。
Sublime Text 2


メニューの Tools => SublimeServer => Start SublimeServer でHTTPサーバが立ち上がる。


HTMLを右クリックして View This File in Browser を選択する。


じゃーん。


こんな感じのURLで表示される。

http://localhost:8080/initializr/index.html


設定ファイルを修正すれば、自動起動にしたり、ポートを変更できる。デフォルトの設定ファイルはこんな感じ。

{
	"attempts": 5,
	"autorun": false,
	"interval": 500,
	"mimetypes":
	{
		"": "application/octet-stream",
		".c": "text/plain",
		".h": "text/plain",
		".py": "text/plain"
	},
	"port": 8080
}

いいところ

最近プロトコル表記を省略したURLの書き方が流行っている。例えば GoogleのホスティングしているjQuery をロードするコードのスニペットはこんな感じ。

<script src="//ajax.googleapis.com/ajax/libs/jquery/1.8.3/jquery.min.js"></script>

これをローカルで動かすと file:// となってしまい動かない。みんなやったことあるよね…。僕は何度もある。サーバが上がっていると、こういう問題が起きない。
あとはHTML5関連のAPIは、サーバにHTMLを配置しないとうまく動かないものもあるので、SublimeServerを使うと、そういった動作確認もできる。

まとめ

そんなわけで、簡単に使えるけどとても便利な SublimeServer でした。
# クラスメソッドさんのところに書いてある Vintage や VintageEX も便利です!

5日目は shinjiro watanabe さんです!よろしくお願いします。


あと、Sublime Text 2 Advent Calendarは、まだ空いている日があるみたいなので、ちょっとした小ネタでもいいから書いてみませんか。

書いたものや話したことをまとめた1枚のHTML

自分の書いたものや話したことをまとめておきたいとずっと思っていた。デザイナさんがポートフォリオをまとめているような感じで。
1枚のHTMLだけど、やっと作った。


シンプルだけど、手が込んでいるものにしたかった。あとは最近身に付けた知識を、できる限り使ってみた。技術的なものも、考え方のようなものも、いま持っているものを振り絞ってみた。1ページだけど。
そもそも僕は0からHTMLを書くことがほとんどないので、とてもいい経験になった。


最近はいろんなキーワードがあって、Responsive Web Designとか、Mobile Firstとか、Progressive Enhancementとか、Graceful Degradationとか。
こんなことをいっこずつ考えながら作ってみた。バズワードっぽいかもしれないけど、ちょっと真面目に向き合ってみたくて。そんな機会あまりないし。
考えてみたからといってうまくいくわけでもなく、Mobile Firstは早々に挫折して、Progressive Enhancementは古いブラウザの動作環境がないから無理で、消去法的にGraceful Degradationな気持ちで取り組んで、最後にMediaQueriesを当てたらいろいろ大変な思いをした。
まあ、その苦労をしてみたかったから作ったのだけど。この短いコードにも、バグやエラーがありそうなので、なにか見つけたら教えて下さい。
# あと英語のミスも。いくつか適当に書いてしまっているし…。


フォントが好きなので、そこはちょっと頑張ってみた。これもまたすごく大変だったけど、Windowsでもそれなりにきれいに見えるように努力した。
配色にも取り組んでみたけど、どうやったらいいかさっぱりわからなくて挫折した。いろいろ読んだり試したりしてみたけど、うまくいかなかった。本当はもうちょっとカラフルにしたい。


試行錯誤の過程やがっかりしちゃうようなミスの軌跡もコミットログに記されていて、それも含めてなかなか楽しい。
このページに収まりきらないくらいの活躍ができるように頑張りたい。

プレゼンテーションの準備をするときに考えること

ここ1〜2年、勉強会やイベントで何度かプレゼンテーションをしてきた。自分から話したいといって話したり、お声掛けいただいたりして、そういった機会をいただいた。
技術的に高度な話はあまりしてないけど、それでも外で話すことで得るものは多く、なにより楽しい。とてもありがたい。


SublimeTex2勉強会の準備(これ)をするときに、今回書いているようなことを友達とシェアしながら進めていた。その過程で、プレゼンの準備をしたり、資料を作ったりするときに考えることが、だいぶ固まってきた気がした。だから、ちょっとまとめてみる。
ざっくり箇条書きにすると、準備するときにこんなことを考えている。

  • イベントの概要
    • 何人くる?
    • 参加者のレベルは?
    • 自分のセッションのレベルは?
    • セッション時間は?
    • セッション詳細はいつまでに伝えなきゃいけない?
    • 社名出す?
    • Ustある?
  • 自分のやるセッション
    • なに話す?テーマは?
    • タイトルは?
    • アジェンダ(目次案)は?
    • サンプル作る?
    • デモやる?
    • ライブコーディングやる?
    • 資料はなにで作る?
    • 資料のベースはある?
    • 資料のフォーマットはある?
    • 絶対話したいこと
    • できれば話したいこと
    • 余裕があれば話したいこと

‐ 当日のこと

    • 備忘録
    • 持ち物
    • 会場
  • その他
    • いろいろ参考にする資料など

どうしてこんなことを考えるようになったかというと、こんな感じ。

イベントの概要

何人くる?

あまりに多いと緊張しちゃうし、心の準備のため確認しておく。

参加者のレベルは? / 自分のセッションのレベルは?

想定される参加者のレベルと、自分が話したいことのレベルを考えて、あまりギャップが大きくならないようにしたい。

セッション時間は?

オーバーしないように。あと30分程度あるなら、時間配分も考える。

セッション詳細はいつまでに伝えなきゃいけない?

早めに決めなきゃいけないこともある。

社名出す?

社内で確認しないといけない。

Ustある?

Ustあるなら、資料の文字は大きめにする。話すときはちゃんとマイクに声を伝える。
(Ust用の資料は文字が大きめのスライドのみにして、配布用の資料はいろいろ追記したものを公開した)

自分のやるセッション

なに話す?テーマは?

テーマは先に考える。たまに見返してもともとのテーマからずれてないか確認する。テーマが変わるのはいいけど、一貫性がないのはあまり良くないと思う。
テーマって、いちばん伝えたいこと、話を聞いて持って帰ってもらいたいことだと思ってる。

タイトルは?

いくつか候補を考えておくと安心。

アジェンダ(目次案)は?

考えたら書くようにする。

サンプル作る? / デモやる? / ライブコーディングやる?

やるならどんな準備が必要か、ある程度洗い出しておく。ライブコーディングするなら、ピンマイクとかマイクスタンドが必要になる。だれかに持ってもらってもいいけど。失敗したときようのスニペットは必須。

資料はなにで作る? / ベース、フォーマットはある?

HTMLだったりKeynoteだったりPPTだったり。準備にかかる時間が大きく変わったりするので、ちゃんと先に決めて、どれくらい時間を使えるか考える。

絶対話したいこと / できれば話したいこと / 余裕があれば話したいこと

伝えたいことの優先度を付けておいて、伝えたいことをちゃんと伝える。

当日のこと

当日の備忘録や持ち物について。

思いついた時に書きだして、当日チェックする。

その他

いろいろ参考にする資料など。

参考になる資料やURLがあれば、どんどん貼り付けておく。一箇所にまとめておく。



SublimeText2勉強会の準備をするとき、実際にはこんなことを書いた。基本的に自分用のメモなので、思ったことをそのまま適当に書いてる。


もともとはGoogle Docsで管理していた。共同編集できるし、履歴が残るし、コメント付けれるし、便利だった。
SublimeText2勉強会の資料作りなど(pubilc) - Google ドライブ


こんな感じのことを、毎回漠然と考えてテキストファイルに書いて準備していた。思いつくままに。
今回ある程度まとめることができたので、これからはもう少し早く準備ができるといいな。5分のプレゼンでも、30分のプレゼンでも、準備にはかなり時間が掛かってしまうので、さくさく準備できるようになりたい。自ら好んで時間を掛けている、というのはあるけど。


これは試行錯誤した結果で決して完璧なリストじゃないし、人によって準備の仕方は違うと思う。本当はもっと考えなきゃいけないことがあるだろうし、そもそも「プレゼンテーションzen」とか読めばいいのかもしれないけど。
とりあえず僕はこんな感じでなんとか乗り切ってきた。もちろん緊張したり、失敗したりもしたけど、ちょっとずつ良くなってきていると思う。たぶん。
プレゼンテーションするたびに、このリストも洗練されていくといいな。


5分でも30人いれば150分だし、30分で100人いれば50時間になる。なかなかすごい。それに見合ったものを提供するのは難しいけど、やっぱり何かしら伝えたくてプレゼンテーションするので、1つでも多く伝わるといいな、と思って準備している。