風味絶佳

山田詠美の「風味絶佳」を読了した。
途中で気付いたけど、途中まで気づかなかったけど、家に文庫があった。それなのに図書館でハードカバーを借りて、鞄にいれて通勤中に読んでいた。こういうことはよくあるので気にしない。
ここに含まれる6編には、様々なひとたちがそれぞれを全く異なった恋をしている。もし一般化され普遍的な恋があれば手に取ってみてみたい。
様々なひとたちのなかには、情けない男達が何名か出てくる。そしてその情けなさに共感できてしまう。どうしようもない情けなさが、とても上手に描かれている。もがき苦しんで、選択肢があれば必ず誤った方を選んでしまい、動けば動くほどはまってしまうような感じ。


これを読んでいて思い出したのは、江國香織さんの「きらきらひかる」のあとがき。

素直にいえば、恋をしたり信じあったりするのは無謀なことだと思います。どう考えたって蛮勇です。

きらきらひかる

「風味絶佳」でも様々なひとたちの蛮勇が描かれていた。


風味絶佳
風味絶佳
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山田 詠美
文藝春秋
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