Hudson名称変更に関する経緯 - 第2回 Jenkins勉強会(旧Hudson勉強会) に行ってきた

HudsonからJenkinsに改名される前に応募があった。第一回は日程が合わず参加できなかったので、どうしても参加したかった勉強会。
いろいろ書いていたら長くなってしまったので、これは最初の「Hudson名称変更に関する経緯」に関する部分のエントリ。全体の感想はこちら。
第2回 Jenkins勉強会(旧Hudson勉強会) に行ってきた - techlog

「Hudson名称変更に関する経緯」部分は約15分程度なので、興味のある人は Ust を見たほうがより正確な情報や雰囲気を知ることができると思う。


TogetterとUstはこちら。まとめてくださった方、動画配信してくださった方に感謝。

Hudson名称変更に関する経緯

Hudson の歴史
  • 2004年 川口さんの個人PJとして開始
  • オープンソース
  • 次第にSun内部で使われだす
  • 2008年 正式に仕事の一分となった
  • 2010年 OracleがSunを買収
  • 2010年 川口さんOracle退社

通常の法律では会社で書いたコードは会社のもの。雇用契約ジャイアニズム。だけど カルフォルニア州労働法 2870条 というものがある。こんな感じのものらしい。

  • 従業員が自分の道具で自分の時間に作ったもので、会社のビジネスと関係ないものなら従業員のもの

Hudson は基本的に川口さんの個人プロジェクトだったけど、どこまでが個人のもので、どこまでが会社ものものかわからない。
ソースコードの一部には権利がありそうだけど、細かいことは法律家に相談しないとわからない。

Hudsonプロジェクトの運営
  • 川口さんと複数の有志による運営
  • Glassfish や Soralis のようなモデルとは違う
  • 川口さんが辞めてOracleにノウハウがなくなった
インフラに対する不満
  • java.net 不安定で評判が悪かった
  • java.netのインフラ移行に伴って、Hudsonがロックされた。不幸にも連絡が行き違いになっていた
  • GitHubに移行しよう
  • ちょっとまて!OracleはHudsonの商標を持っている!勝手に移動するな!
    (この時点では商標が申請された状態で承認はされていなかった)
  • コミュニティとしては今後の自立性が大事だった
  • OracleのHudsonに対する貢献は1%程度だけど、そこが主導権をもっていいの?
Hudsonの商標

オフラインでOracleとの間で妥協点をさぐったがだめだった。
コミュニティからは商標を第三者機関に預けて欲しい、貢献度合いに基づく発言権を尊重して欲しいと依頼。
Oracleからはあらゆるコミットにコードレビュー必須にすること、3議席からなる役員会を設置してOracleに永久議席を与えることを要求。
コミュニティは対応してもいいかな、という空気があったが、Oracleからは商標を預けることはできないという返答だった。
話を進めていた3ヶ月の間にOracleと信頼関係を気付きたかったが、出来なかった。

名称について投票を行い、HudsonからJenkinsに改名することになった。コミュニティ運営も多少変えた。

  • 役員会の選出
  • software freedom conservancy で著作権を管理
  • 改名は賛成多数 / 214 vs 14で改名可決
まとめ
  • HudsonはJenkinsへ
  • 75%のユーザは2011年中にjenkinsに移行、あるいは移行を検討中
  • プロジェクトの運営は問題ない/コードベースは同じ
  • 開発メンバーもあまり変わっていない。
  • 鏡の前で10回 Jenkins って唱えましょう。そうすれば Hudson と言わなくなります。

感想

断片的な情報は知っていたけど、渦中にいた方から直接話しを聞くことができてよかった。やっぱり文章だけだと、細かい雰囲気がわからない。そういった意味でも、この問題に興味があれば Ust を見たほうがいいと思う。

とりあえずお風呂の鏡の前で Jenkins って唱えよう。