暗号解読
暗号解読 完了 読了。
「フェルマーの最終定理」も面白かったが、こちらも面白い。
SEやプログラマだったら、読んでおくとよいと思う。
Web系のプログラムやシステムを作る場合、暗号化技術はある程度知っておかなくてはならない。
でも暗号化技術って、やっぱりちょっと特殊だと思う。難しいというより、特殊。
公開鍵作って、秘密鍵作って、共通鍵作って、証明書を作って、それからやっと暗号化通信できる(サーバとクライアントの作業分担については割愛)。やれやれだ。
なんでそんな複雑なことをしなくてはいけないのか、この作品ではその歴史がわかる。
最初はアルファベットをひとつ進めただけの暗号から、ルイ14世のころの暗号、第二次世界大戦で使われた暗号、そして現代のRSA、未来の量子暗号まで。
また暗号作成者/暗号解読者の努力を知ることができる。PCなんてない時代に、いったいどうやってこの暗号を解いたのか。その基本的で本質的な答えは、気合と根性とほんの少しの閃き。
巻末に暗号文などが載っているのだが、僕にどう考えてもこんなもの解読できない。
暗号解読に使われる手法が記載されていて、理論的にはわかるのだが、とても解読なんてできない。
原理的には手法が分かっている以上、とにかく頑張れば解けるはずだが、とてもそんな努力はできない。
暗号解読には、量も質も半端ではない努力が必要だということがわかる。
そんな暗号作成者/解読者の業績の上に現代の暗号があって、いまではその暗号を誰でも使える。
これが奇跡的なことだということを知った。
これからSSLとか構築する時は、いろいろな人にちょっと感謝しようと思う。