ITpro SPECIAL - SaaSが透過する「日本IT界の脆弱性」見えてきた課題をいかに克服するか
SOAやSaaSは、この業界にいれば、よく聞くキーワードだと思う。ただし、これを実現しているシステムはあまり見たことがない。
僕はちゃんと調べたことはないけど、代表的なのはsalesforce.comらしい。
これまでSOAなどは、簡単に言えばシステムを祖結合にして、他のシステムとの連携を取りやすくするものだと思っていた。ただしこの敷居はとても高い。日本のカスタマイズの多いシステムでは特に難しいと思っていた。
ITが整理されれば,SOAやSaaSを活用する道も開けてくる。しかし,それは容易なことではない。そのための前提が業務とITの分解である点は,第1回でアクセンチュア エグゼクティブ・パートナーの沼畑幸二氏が次のように指摘した通りである。
「BFC(Business Function Chart)とSFC(System Function Chart)の2つをマッピングすることで,どのようなアプリケーションがどの業務を実現しているのかが見えてきます。それが分かれば業務の切り出しもできるし,ある部分をSaaSに委ねることもできます」
この分解ができて初めてブラックボックスに光が射し込むのだが,こうした取り組みを実践している企業は少ない。このままでは,環境変化に対応して業務とITをダイナミックに組み換えようとしても限界がある。
この記事を読んで思い浮かべたのは、O/Rマッピング。
O/Rマッパーはオブジェクト(システムやプログラムと読み替えてもいいかもしれない)と、データをマッピングしてくれる。
O/Rマッパーがなかったころは、SQLの実行結果をそのまま加工して使っていた。そうすると、システムとRDBMSが密結合になる。SQLをちょっと変えると、システムへの変更が大きくなる。
またDBとの型の違いを、かなり意識しなくてはならなくなる。
業務とITの分解とは,つまりビジネスそのものを分解して理解することである。そうした取り組みを通じて,「自社にとって何がコアで,何がノンコアなのか」,さらにビジネスのあるべき姿も見えてくる。この作業はSaaS導入の前提ではあるが,日本でも定着し始めているアウトソーシングにおいても本来は必要なことである。
しかし,現実にはそれが十分に行われていないので,アウトソーシングを戦略的に使うことができず,ごく一部の領域でコストダウンのために使っている。それが多くの日本企業の姿ではないだろうか。
いまの業務とシステムの関係って、O/Rマッパーのないころの、システムとDBの関係に似ているのかもしれないと思った。
そこでSOAに必要なのは、システムと業務の祖結合なのかなと思った。思ったというよりは、感じた。
システムと業務を祖結合にして、その先に、SOAがあるのではないかと。システム間の祖結合を考えるには、まずシステムと業務を祖結合にしなくてはならないのではないかと。
システムとシステムのインターフェースではなく、まずはシステムと業務のインターフェースを、しっかりと考えなくてはいけないのかもしれない。
この記事の本筋とはずれているとは思うが、これが僕の感想。