人間失格と津軽

斜陽館
太宰治の「人間失格」と「津軽」を読了した。「人間失格」を読むのは2、3回目だと思う。「津軽」ははじめて読んだ。青森の風景描写や歴史についての部分はだいぶ読み飛ばしてしまったけど。

9月に青森へ旅行に行った。写真は太宰治の生家、いまは太宰治記念館「斜陽館」として見学できる。せっかく青森に行くのだからと思って、太宰治を読み返した。


全体を通して、破滅的で堕落してく人間の弱さが描かれている。最初と最後に、印象的な文章がある。

恥の多い生涯を送って来ました。

いまは自分には、幸福も不幸もありません。
ただ、一さいは過ぎて行きます。


なんだか感想っぽいものがあまり浮かばない。だけど、太宰治の作品はそんなに嫌いじゃないかもしれない、と思うようになってきた。
津軽」は少しまともな太宰治を垣間見れる。落ち着いてちょっと楽しげな、平和な文章がとても新鮮だった。こういう一面もあるからこそ、ほんとうに絶望的に書けるのかもしれない、と思った。
太宰治の作品は、読んでも読んでも忘れてしまうので、また読もう。前もそんなこと書いてた。なんでだろうな。


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