アンダスタンド・メイビー

島本理生の「アンダスタンド・メイビー」を読了した。
年末にハードカバーの本を衝動買いしたときに買った。


「アンダスタンド・メイビー」は上下巻ということもあり、単純な分量が多い。
家族、宗教、暴力、といったことが大きな要素として詰め込まれていた。
読み進めると、どこかで似たような感じのものを読んだ気がすると思い、思い返してみた。
宗教に関する部分は、よしもとばななの作品にちょっと近い気がした。「ハチ公の最後の恋人」とか「デッドエンドの思い出」とか、あとは村上春樹の「1Q84」や「アンダーグラウンド」など。
真似をしている、というわけではなくて、地下鉄サリン事件や9.11は多くの人に影響を与えたのだと感じた。
家族は暴力といった内容はこれまでもある程度に書かれていたけど、今回はここにいろいろなものが詰められていたと思う。


島本さんの作品に出てくる女の子たちはけっこう迂闊でかなり隙があって、その結果ひどい目に会ったりする(アンダスタンド・メイビーでは特に)。
でもそこからなんとかして這い上がってくる。その過程はもちろん大変なものだったりする。
恋をして、問題をたっぷり抱えて、否応なく成長し、なんとかやっていかなくていけない。そういった部分が丁寧に、生々しく書かれていて引きこまれてしまう。

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あと島本さんが期間限定でtwitterをやっている。

作家・島本理生の期間限定twitterです。最新書き下ろし長編『アンダスタンド・メイビー』上下(中央公論新社)の刊行記念企画です。

http://twitter.com/shimamotorio

ささやかな期待を胸にmentionを送ったら、replyをいただいてすごくうれしかった。
去年のうれしかったことランキングトップ10に入るくらい。「リトル・バイ・リトル」のころから読んでいるので。


もうデビュー10年とのこと。僕にとっても読み始めてもう10年なのか、と思った。10年前はまだ大学生だったなと。


アンダスタンド・メイビー〈上〉
島本 理生
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