白河夜船

よしもとばななの「白河夜船」を読了した。僕の持っている文庫本は 1995年5月25日 第14刷 だ。16年前の本だった。古い本はなんだかちょっと甘い匂いがして、その匂いがちょっと好きなんだけど、「古い本の匂い」をぐぐったら、みんな臭いと思っているらしい。とてもショックだ。

白河夜船(しらかわよぶね)とは周りの様子に気付かないほど熟睡しているさまを指す。京都に旅行に行ったと嘘をついた人が白河について訊かれ、川の事だと思い込み、夜に船で通ったので知らない、と答えたために嘘がばれてしまったという話が語源。当初は知ったかぶりを意味する言葉だった。

白河夜船 - Wikipedia

白河夜船という言葉の響きに惹かれる。眠るのがすごく好きだから、というのもあるけど。
この作品には3つの掌編が収められている。夜と眠りと死んだ人を中心とした物語で、やっぱり寂しい感じが通底している。


それはさておき、このころのよしもとばななの作品が本当に好きだ。
「キッチン」はちょっと特殊(個人的に)なので除外してい、その後に出版された 「哀しい予感」、「白河夜船」、「TUGUMI」、「うたかた/サンクチュアリ」、「N・P」、「とかげ」、「アムリタ」あたりまで。どれも少なくとも3回は読んでいる。僕はあまり内容をしっかり覚えてないので、何度読んでも楽しめる。
このあたりの作品は、とても微妙なバランスを保っているように感じる。読んでいると中学生や高校生の頃を思い出す。


白河夜船 (新潮文庫)
白河夜船 (新潮文庫)
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吉本 ばなな
新潮社
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