アジャイルレトロスペクティブズ

アジャイルレトロスペクティブズ」を読了した。
# 途中でちょっと興味が薄れたので、結構斜め読みしてしまった。

retrospectiveは「回顧」、「遡及的」、「回想的」といった意味の単語だ(retrospectiveの意味 - 英和辞典 Weblio辞書)。
本書での意味は「ふりかえり」となる。アジャイルなふりかえり。


レトロスペクティブは、プロジェクトメンバーがミーティング形式で、以下のような構成で行う。

  1. 場を設定する
  2. データを収集する
  3. イデアを出す
  4. 何をすべきか決定する
  5. レトロスペクティブを終了する

これらの各フェーズにおいて、いくつかのアクティビティを実施する。
アクティビティには以下のようなものがある。ちょっと長いけど目次から一部引用する。

第4章 場を設定するアクティビティ
 4.1 チェックイン(Check-In)
 4.2 フォーカスオン/フォーカスオフ(Focus On/Focus Off)
 4.3 ESV
 4.4 チームの約束(Working Agreements)


第5章 データを収集するアクティビティ
 5.1 タイムライン(Timeline)
 5.2 555(Triple Nickels)
 5.3 カラーコードドット(Color Code Dots)
 5.4 喜、怒、哀(Mad Sad Glad)
 5.5 強みを見つける(Locate Strengths
 5.6 満足ヒストグラム(Satisfaction Histogram)
 5.7 チームレーダー(Team Radar)
 5.8 ライクトゥライク(Like to Like)


第6章 アイデアを出すアクティビティ
 6.1 ブレインストーミング/フィルタリング(Brainstorming/Filtering)
 6.2 フォースフィールドアナリシス(Force Field Analysis
 6.3 5 つのなぜ(Five Whys)
 6.4 フィッシュボーン図(Fishbone
 6.5 パターンとシフト(Patterns and Shifts)
 6.6 ドットによる優先づけ(Prioritize with Dots)
 6.7 まとめレポート(Report Out with Synthesis
 6.8 テーマの特定(Identify Themes)
 6.9 学習マトリックス(Learning Matrix)


第7章 何をすべきかを決定するアクティビティ
 7.1 レトロスペクティブ計画ゲーム(Retrospective Planning Game)
 7.2 SMART な目標(SMART Goals)
 7.3 質問の輪(Circle of Questions)
 7.4 短い話題(Short Subjects)


第8章 レトロスペクティブを終了するアクティビティ
 8.1 プラス/デルタ(+/Delta)
 8.2 感謝(Appreciations)
 8.3 温度計(Temperature Reading)
 8.4 役立った、邪魔だった、仮定した(Helped, Hindered, Hypothesis)
 8.5 投資時間対効果(ROTI)

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き|Ohmsha

いっぱいある。これらのアクティビティをうまく組み合わせ、レトロスペクティブをファシリテートすることが重要になってくる。
いいなと思ったのは、以下のようなアクティビティ。いいと思ったのは簡単に取り入れられそうだったから。意識すればすぐに試せそう。
# 内容は勝手に要約してしまっているので、ちゃんとしたものは本書を参照してほしい

  • 4.2 フォーカスオン/フォーカスオフ(Focus On/Focus Off)
    • 非難や批評を好ましくないものと思うようにする ( 質問>主張 / 対話>議論 etc.)
  • 6.6 ドットによる優先づけ(Prioritize with Dots)
    • メンバーがどのように優先付けるか調べる (優先度1にはシールを4つ、2には3つ付けるなど)
  • 7.4 短い話題(Short Subjects)
    • 会話から観点の違いや多様性に気付く (うまくいったこと/いかなかったこと、続けること/やめること、など)
  • 8.1 プラス/デルタ(+/Delta)
    • 強みや変更することを書きだす
  • 8.2 感謝(Appreciations)
    • お互いに感謝し合いポジティブにレトロスペクティブを終了する
  • 8.4 役立った、邪魔だった、仮定した(Helped, Hindered, Hypothesis)
    • フィードバックからスキルやプロセスを改善する


逆にこれら以外のアクティビティは事前準備が必要だったりして、ちょっとやるのが面倒だと感じてしまった。
ひとつひとつプロセスが重く、うまく扱えなさそうな気がした。
ただレトロスペクティブの構成や、どのように進めればいいのか、といったことについてはとても参考になった。特に各アクティビティでの作業時間の目安などが書いてあるのがよかったと思う。


また以下のエントリも合わせて読むと、違った観点で面白かった。
「短い話題」と同じようなものかな。「アジャイルレトロスペクティブズ」という話題から、感じることはひとそれぞれ。


「訳者ふりかえり」に書いてあったのだが、「ふりかえり」がなぜ「振り返り」ではなく「ふりかえり」かということについては こちら を参照して欲しいとのことだった。