「アンナ・カレーニナ」に関する散文

アンナ・カレーニナ

読んだことのないひとでも、冒頭くらいは知っていると思う。
僕はそうだった。

幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。
アンナ・カレーニナ - トルストイ

ゆっくり読んでいたので、3週間くらいで読了。
超簡略化した粗筋はこんな感じ。

表題でもある主人公アンナと、ヴロンスキーの激しい愛。もう一人の主人公リョーヴィンと、キチイの穏やかな愛の二つが主軸である。

アンナ・カレーニナ - Wikipedia

どちらかが幸福なときには、どちらが不幸なときが描かれている。
その振れ幅が大きい。限りない幸福感と、地獄のような絶望が次々に描かれている。
それが繰り返し、立場が入れ替わり、話が進んで行く。
そこに引き込まれて、どんどん読み進めてしまった。
カラマーゾフの兄弟」に比べて、神学的、宗教的文章はあまり多くないので読みやすかった。。


唯一変わらなかったのはオブロンスキーただ一人だと思う。このひとの適当さは、ちょっとすきだ。
あとはリョーヴィンがアンナと出会ったときの記述がとても美しくて印象的だった。
こんな風にアンナに出会ったら、ついつい惚れてしまうだろうな、と思うような感じ。


文庫本で1500ページもあるので、すでにどんどん忘れ始めている。
気になったことだけ書いたので、なんとも言えないまとまりのなさになった。
感想を簡単まとめることなんて、とてもできないような本だった。


全体的な印象としては、読んでいるとどのページも厳冬のような寒さを感じた。
どんなに幸福な場面でも、それは一瞬日が差した程度で、すぐに寒さが戻ってくるような感じ。
なんとなく、勝手にロシア的だなと思っていた。ロシアになんていったことがないけれど。