テクノロジー×クリエイティブ視点でみる、Webの仕事の行方
「テクノロジー×クリエイティブ視点でみる、Webの仕事の行方」に行ってきた。今年はじめてのセミナー。ちょっと感動するくらいよい内容だった。
参加者は100人以上で、たぶんスーツな人は3人くらいだった。圧倒的なアウェイ感。最初からわかっていたけど。
登壇者は 長谷川恭久(はせがわ やすひさ / [twitter:@yhassy] / could )さん。最近、長谷川さんのblogをよく読んでいる。質が高いエントリばかりで、すごい。
資料はこちら。
長谷川さんのセミナーに関するエントリはこちら。
どちらかというと、テクノロジーよりはクリエイティブ寄りの話だったけど、興味深く、面白かった。
以下は僕がメモしたもので、発言をそのまま書き留めたものではないので、一部に僕の主観が入っていると思う。
# ま、文章とは常にそういうものですよね。でも、いつものメモよりはちょっと主観が多めな気がするので、いちおう。
テクノロジー×クリエイティブ視点でみる、Webの仕事の行方
- 従来のWebサイト制作の終焉
- いまのWebサイトは基本的に雑誌のようなもの
- 表紙があって、次に目次、良い感じのコンテンツ
- 雑誌を一部のコンテンツを見せたり共有することができない
- Webサイトは本当はそれができる。
- でも我々は雑誌のようなWebを作ろうとしている
- 紙のコンテンツのしがらみに囚われている
- 紙の束縛
- いろんなひとたちがWebサイトを作るようになった
- Webサイトの作り方がわからないひとたちも
- 紙のよさもある。
- 目に見える、触れる、形がある。
- インターネットは形がない。
- でも紙に引きづられて、Webサイトを作っていた
- なんとかうまくいっていたのは、これまではPCだけだったから
- サイズがある程度一定で、形があった
- これからはさまざまなデバイスがでてくる
- Webの情報はさまざまなデバイスで表示される
- 固定サイズの世界観を再現するだけでは、スケールできない。対応できない
- もっとスクリーンは増える
- 紙のメタファーでは対応できない
- 紙を目指そうとして、異なるブラウザでも同じ見た目を再現しようとした
- コンテンツとコンテキスト
- コンテキストとは文脈
- もっと日本語的に言うと、空気を読む
- コンテキストを汲んで、コンテンツを提供するか
- たとえばbing
- New Yorkで検索すると、旅行とか、天気とか、フライトの情報が出てくる
- 使っている人がどんなことを考えて検索しているかを考慮する
- たとえばAmazon
- よく一緒に購入されている商品とか
- そのうち友達機能とかもついてくるのでは?
- まえからあった
- コンテンツとコンテキストをどう組み合わせていくか
- どの部分を考えて、どの部分を作るか
- 職種はあまり関係ない
- A List Apart: Articles: Findings from the Web Design Survey, 2010
- Introduction
- 日本でお馴染みの職業はあまりない
- マークアップエンジニアとかWebディレクターとか
- 日本独自かも、でもそれは悪いことじゃない
- 職種が同じでも、やってることは違ったりする
- 共通する部分もある
- でも職種で分けてもあまり意味が無い
- これからの職種
- Web Developer
- Webに理解のある開発者
- Information Manager
- 情報を管理する人
- Progressive Designer
- 即興ができるデザイナー
- Artist
- アーティスト
- Web Developer
- 必ずどれかに属するわけじゃない
- 全部やりましょう、というわけじゃない
- 得意分野があっていい
- 複数の役割を担当していたりする
- Information Manager
- Progressive Designer
- コンテンツをエモーショナルなものにする
- 即興でなにかできる
- 時間が経てば、変更コストが大きくなる
- PJの最初のほうではすぐに変更できる
- 紙に書くスケッチのような状態で、早く出していく
- 完成度をあげていくと、どんどん対応できなくなってしまう。
- 完成度が低い状態で見せて、フィードバックをもらう
- アジャイルなデザイン
- Artist
- 芸術と、要領/こつ
- 以下に引き出して形にできるか
- イラストや映像をやっていたけど、Webの仕事をやるようになったひともいると思う
- そういうひとはチャンス。
- いままでやりたかったイラストや映像に戻れる
- どうやって自分の作品を見てもらえるか、考える
- 見てもらうための手段を選ばない
- いまはWebサイトを作らなくてもいいのでは
- 自分でやるといろいろ勉強しなくちゃいけない
- サイトのメンテナンスに時間を掛けてもしかたない
- すでにあるサイトを利用して、作品をだせばいい
- Webデザイナでイラスト得意なひととかけっこういる
- いまがチャンス
NOの理由はいくらで作れる。だからこそYESを!
まとめ
仕事や役職や職種については、このあたりでけっこう書いたので触れない。
資料に関連して、これらのエントリも読むと、理解しやすいかも。
- 文脈によって活かされるコンテンツ配信 : could
- コンテンツを意識してWebデザインするとは : could
- 非デザイナーも知っておきたいデザインにある葛藤とホンネ : could
- Intertwined WebとユビキタスIA : could
- デザインする人の価値と誠実さ : could
- 役職ではなく自分として仕事をするためのヒント : could
話を聴き終わって、やっぱりWebは楽しいと思った。そして目の前で観るプレゼンテーションがとても楽しかった。訴えかけるものがあった。あと、コンテンツとコンテキストって、テクストとコンテクストにちょっと似ている気がした。
タイトルに戻って「Webの仕事の行方」を考える。好むと好まざるとにかかわらず、Webの範囲は広がり変化している。それに必死でついていく、というのもあるけど、できればその先端で楽しみたい。もちろん、難しいけど。
10年後を考えていたら、アラン・ケイの「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」を思い出した。そもそも10年後にWebに関わっているかもわからないけど、とりあえず楽しめていればいいな。