テクノロジー×クリエイティブ視点でみる、Webの仕事の行方

「テクノロジー×クリエイティブ視点でみる、Webの仕事の行方」に行ってきた。今年はじめてのセミナー。ちょっと感動するくらいよい内容だった。

参加者は100人以上で、たぶんスーツな人は3人くらいだった。圧倒的なアウェイ感。最初からわかっていたけど。
登壇者は 長谷川恭久(はせがわ やすひさ / [twitter:@yhassy] / could )さん。最近、長谷川さんのblogをよく読んでいる。質が高いエントリばかりで、すごい。

資料はこちら。

長谷川さんのセミナーに関するエントリはこちら。


どちらかというと、テクノロジーよりはクリエイティブ寄りの話だったけど、興味深く、面白かった。
以下は僕がメモしたもので、発言をそのまま書き留めたものではないので、一部に僕の主観が入っていると思う。
# ま、文章とは常にそういうものですよね。でも、いつものメモよりはちょっと主観が多めな気がするので、いちおう。

テクノロジー×クリエイティブ視点でみる、Webの仕事の行方

  • 従来のWebサイト制作の終焉
    • 2011年
    • Webサイト以外でいろいろな情報を配信できるようになってきた
    • スマートフォン電子書籍など
    • 普通のWebサイトだけじゃマッチしない
    • そうなると、コンテンツとコンテンツ、人と人、コンテンツと人をどうつなげるのかが重要になる
  • いまのWebサイトは基本的に雑誌のようなもの
    • 表紙があって、次に目次、良い感じのコンテンツ
    • 雑誌を一部のコンテンツを見せたり共有することができない
    • Webサイトは本当はそれができる。
    • でも我々は雑誌のようなWebを作ろうとしている
    • 紙のコンテンツのしがらみに囚われている
    • 紙の束縛
  • いろんなひとたちがWebサイトを作るようになった
  • Webサイトの作り方がわからないひとたちも
  • 紙のよさもある。
    • 目に見える、触れる、形がある。
    • インターネットは形がない。
    • でも紙に引きづられて、Webサイトを作っていた
    • なんとかうまくいっていたのは、これまではPCだけだったから
    • サイズがある程度一定で、形があった
  • これからはさまざまなデバイスがでてくる
    • Webの情報はさまざまなデバイスで表示される
    • 固定サイズの世界観を再現するだけでは、スケールできない。対応できない
    • もっとスクリーンは増える
    • 紙のメタファーでは対応できない
    • 紙を目指そうとして、異なるブラウザでも同じ見た目を再現しようとした
  • コンテンツとコンテキスト
    • コンテキストとは文脈
    • もっと日本語的に言うと、空気を読む
    • コンテキストを汲んで、コンテンツを提供するか
  • たとえばbing
    • New Yorkで検索すると、旅行とか、天気とか、フライトの情報が出てくる
    • 使っている人がどんなことを考えて検索しているかを考慮する
  • たとえばAmazon
    • よく一緒に購入されている商品とか
    • そのうち友達機能とかもついてくるのでは?
  • まえからあった
    • でも大企業がすごいデータを使ってやっていた
    • これからはGeolocation APIやLocalStorageも使える
    • FacebookTwitterも使える
    • 以前よりも難しくなくなってきた
  • コンテンツとコンテキストをどう組み合わせていくか
    • どの部分を考えて、どの部分を作るか
  • これからの職種
    • Web Developer
      • Webに理解のある開発者
    • Information Manager
      • 情報を管理する人
    • Progressive Designer
      • 即興ができるデザイナー
    • Artist
      • アーティスト
  • 必ずどれかに属するわけじゃない
  • 全部やりましょう、というわけじゃない
  • 得意分野があっていい
  • 複数の役割を担当していたりする
  • Web Developer
    • Webに理解のある開発者
    • コンテンツを速く、正確に人に届ける
    • 速く
      • frontendやserver sideだったり
    • 正確に
      • コンテキストをどのように汲み取ることができるか
      • コンテンツとコンテキストを以下に組み合わて配信するか
    • いろいろなテクノロジーがでてくるけど、コンテキストを汲み取って配信するものであれば、今後残っていくと思う
  • Information Manager
    • 情報を管理する人
    • コンテンツ
    • バイスにあった情報の表示の仕方も考える
      • 普通のサイズ
        • ロゴ→ソーシャルボタン→電話番号→ナビ
      • モバイル
        • ロゴ→ナビ→ソーシャルボタン→電話
      • 画面が小さい場合はまずナビを見せたい
      • PCなどは画面が大きいのであまり気にしなくていい
    • IA
      • intertwingularity
      • いろいろこんががっている
      • どうやってIAをやっていけばいいのか考える
  • Progressive Designer
    • コンテンツをエモーショナルなものにする
    • 即興でなにかできる
    • 時間が経てば、変更コストが大きくなる
    • PJの最初のほうではすぐに変更できる
    • 紙に書くスケッチのような状態で、早く出していく
    • 完成度をあげていくと、どんどん対応できなくなってしまう。
    • 完成度が低い状態で見せて、フィードバックをもらう
    • アジャイルなデザイン
  • Artist
    • 芸術と、要領/こつ
    • 以下に引き出して形にできるか
    • イラストや映像をやっていたけど、Webの仕事をやるようになったひともいると思う
    • そういうひとはチャンス。
    • いままでやりたかったイラストや映像に戻れる
    • どうやって自分の作品を見てもらえるか、考える
    • 見てもらうための手段を選ばない
    • いまはWebサイトを作らなくてもいいのでは
      • 自分でやるといろいろ勉強しなくちゃいけない
      • サイトのメンテナンスに時間を掛けてもしかたない
    • すでにあるサイトを利用して、作品をだせばいい
    • Webデザイナでイラスト得意なひととかけっこういる
    • いまがチャンス

 
NOの理由はいくらで作れる。だからこそYESを!

まとめ

仕事や役職や職種については、このあたりでけっこう書いたので触れない。

資料に関連して、これらのエントリも読むと、理解しやすいかも。

話を聴き終わって、やっぱりWebは楽しいと思った。そして目の前で観るプレゼンテーションがとても楽しかった。訴えかけるものがあった。あと、コンテンツとコンテキストって、テクストとコンテクストにちょっと似ている気がした。


タイトルに戻って「Webの仕事の行方」を考える。好むと好まざるとにかかわらず、Webの範囲は広がり変化している。それに必死でついていく、というのもあるけど、できればその先端で楽しみたい。もちろん、難しいけど。
10年後を考えていたら、アラン・ケイの「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」を思い出した。そもそも10年後にWebに関わっているかもわからないけど、とりあえず楽しめていればいいな。