リトル・シスター

レイモンド・チャンドラー著、村上春樹訳の「リトル・シスター」を読了した。
7作あるチャンドラーフィリップ・マーロウシリーズの5作目にあたる。


いろいろな登場人物が出てきて、誰がなのかわからなくなったり、場面転換についていけずスムーズに筋を追えなかった。つまり読み辛い部分がけっこうあった。
酔っ払って読んで読み飛ばしてしまったみたいだ、と思い、ちょっと前から読み直すけどやっぱりよくわからない。半分くらいは本当に酔っ払って忘れてしまったせいかもしれないけど。


読み辛かったけど最後まで楽しく読み進めたのは、単純にチャンドラーの文章が魅力的だったからだ。訳者あとがきに、ぴったりの表現があった。

チャンドラー以外の人にはまず書けないちょっとした細かい描写の集積、鮮やかに目の前に立ち上がる様々な情景、例によってキレの良い会話(ときとして滑ってしまうが)。
僕としては読者のみなさんに、僕と同じようにそんな「チャンドラー節」を楽しんでいただけることを望むしかない。

リトル・シスター

読み辛かった原因についても訳者あとがきに書いてあったけれど、それについては割愛する。


レイモンド・チャンドラーのマーロウものは、訳者に関わらず面白い。
マーロウという私立探偵が出てきて殺人事件を解き明かしていく。推理小説ではあるのだが、やっぱりハードボイルド小説というほうがしっくりくる。
純文学ってなんだ?というくらい「ハードボイルド小説」もよくわからないけど、マーロウはどう考えてもハードボイルドで、古き良き「かっこよさ」がある。
未読の作品もあるので、徐々に読んでいきたいと思う。


リトル・シスター
リトル・シスター
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レイモンド チャンドラー
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