神去なあなあ日常

三浦しをんの「神去なあなあ日常」を読了した。
想像もつかない林業の話を、想像のつく形で文章にしてくれるのはうれしい。でもいまひとつ響かなかった。「舟を編む」や「風が強く吹いている」は大好きなんだけど。なにが違うんだろう。


神去なあなあ日常 (徳間文庫)
三浦しをん
徳間書店 (2012-09-07)
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バイバイ、ブラックバード

伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を読了した。
最後のほうは面白かったけど、途中はちょっと飽きちゃった。でも悪くない。5人の女性と付き合うって、どんな感じなんだろう。


バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
伊坂 幸太郎
双葉社 (2013-03-14)
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マドンナ・ヴェルデ

海堂尊の「マドンナ・ヴェルデ」を読了した。ジーン・ワルツと対になる小説。
代理母出産の物語。面白いんだけど、自分が男性だからなのか、あるいは作者が男性だからなのか、いまひとつのめり込めなかった。
海堂尊は男性を描いたほうが躍動感があるのかもしれない、と思った。


マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)
海堂 尊
新潮社 (2013-02-28)
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ここ半年のあれこれ

去年の8月に転職してからの、半年+1.monthの振り返り。いろいろあったし、いろいろやった。散文。

カンファレンスやったり、いろいろなところで話したり、ものすごく働いたり、いろいろやった。
加えて、毎日Ruby書いて、たまにJavaScript書いて、まれにHTMLやCSSも書いてる。RubyRailsはまだまだ知らないことばっかりだけど、とりあえず普通に書けるようになった。ただ知識の偏りが激しい。rails new することはないし、migrateすることもほとんどないし、すでにいろいろ整備されてるからデプロイもかんたん。そのぶん、自分で補っていかないといけない。黒魔術も徐々に覚えたいし。
あと、いろんな人に会って、ご飯食べたり、お酒飲んだり、話したり、聞いたりした。会ってみたいと思っていた人にはだいたい会えたし、興味深い話を聞くことができた。これはけっこう大きい。


仕事とプライベート、それに加えてコミュニティや趣味としての技術的なあれこれがある。仕事でもプライベートでもない部分。スピーカーの依頼など、いただいたお話を全部受けて、さらに自分からこんなこともやりたいですって言って、実際やってみたら忙しくなりすぎた。忙しくし過ぎてしまった。
12月は仕事が忙しくて、1月、2月は仕事が落ち着いた反動で、やりたかったことをどんどんやった。そうしたらあまりにもくたびれた。
いちばん忙しかった1週間くらいは、朝の電車でコード書いてスライド作って、お昼休みにコード書いてスライド作って、帰りはグリーン車で電車でコード書いてスライド作った。もちろん、それなりに昼間も働いた。全部自分で選んだことだった。


通勤時間が長いので、グリーン車乗れば1時間確保できる。もちろんコストは掛かるけど、それでも1時間集中して作業できるなら悪くない。そう思って2週間くらい実践してみたら、ものすごく疲れた。
たまにグリーン車で作業することがあったけど、かなり集中できる。でもそれを毎日やってみたら、集中しているぶん疲れる。
家に帰ってからコード書いたり、文章書いたりもするけど、僕は電車のなかでぼーっとしたり、本読んだり、漫画読んだりして、そこでリラックスして、いろいろなことを切り替えたりしてたんだな、と気付いた。


勉強しなきゃってときにはやる気がでないのに、しばらく勉強するのはやめちゃおうと決めたとたん、調べたい、試したい技術がたくさんでてくる。

渦中は大変だったけど、乗り越えてしまえばよい思い出。もうやらないけど。
たいしたことないけど、それでもこの数ヶ月はこれまでの人生でいちばんコードを書いた。これからもっとコードを書く。だからこそ、コードを書く自分自身のメンテナンスが必要な気がする。


3月、4月は、技術系のことは抑えめにする。ゼロにはならないし、やりたいこといろいろあるけど。本読んだり、映画見たり、ぼーっとしたり、おいしいもの食べたり、おいしいもの食べたりしたい。
かなり疲れたり、バランスを欠いたり、失敗したりしたけど、この半年すごく楽しい。

流しのしたの骨

江國香織の「流しのしたの骨」を読了した。何度も読んでるけど、ここ最近、ここ数年は読んでいなかった気がする。


江國さんの描く家族はいつもちょっと変わっている。長めの、家族の話はこの作品が最初じゃないかと思う。ちゃんと調べてないけど。
このあとの「神様のボート」、「左岸」、「抱擁、あるいはライスに塩を」では、家族という集合体が主人公のようになっている気もする。


「流しのしたの骨」では、そよちゃん、しま子ちゃん、こと子ちゃん、律くん、の4兄妹に、素敵なお父さんとお母さんがでてくる。
だれが読んでも、この家族はちょっと変わっている、と感じるんじゃないかと思う。でも自分の家族のことを考えてみると、それなりに変わっている気がする。だから、個々の出来事に共感するわけじゃないんだけど、全体としての家族に共感しちゃう。


ちょっと引用したいな、と思っても、なかなか難しい。家族の雰囲気は短い文章で語られるわけじゃなくて、もうちょっと長い流れで語られているから。
これはあとがきから。

たとえお隣でも、よそのうちは外国よりも遠い。ちがう空気が流れている。階段のきしみ方もちがう。薬箱の中身も、よく口にされる冗談も、タブーも、思い出も。
それだけで、私は興奮してしまいます。

あと、深町直人はかっこいい。


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江國 香織
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ぬるい眠り

これを読むのも何回目だろう、というくらいには読んでる。たぶん、3回は読んでる気がするんだけど、もっとかな。江國香織の「ぬるい眠り」を読了した。

去年の1月に「ケイトウの赤、やなぎの緑」を読んでいた。しかも「真昼なのに昏い部屋 」や「左岸」も読んでいた。冬は江國香織を読みたくなるのか。


読み返してみると、どれも印象的な作品だった。
かわいいお父さんの「ラブ・ミー・テンダー」、恋の終わりを感じる「ぬるい眠り」、いろいろな人とゆるりと寝ている「とろとろ」、短いけど存在感のある「夜と妻と洗剤」、お葬式と鰻の「清水夫妻」、睦月と笑子ちゃんが相変わらずな「ケイトウの赤、やなぎの緑」。
この人の文章をたくさん読んできたことを思い出した。読んでいて、愉しいひとときを過ごした。


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江國 香織
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